【映画レビュー】ブラックパンサー
それぞれの正義
評価★★★★☆
今回見たのは、「ブラックパンサー」。
2018年のアメリカ映画。
MCU18作目。
漆黒のスーツ、ヒーローというにはあまりにスタイリッシュすぎる風貌、そしてマーベル初のアフリカ系黒人ヒーローということで、他のMCU作品とは一風変わった今作。
個人的にドクター・ストレンジと並んで、かなり好きな作品となりました。
ビジュアルもカッコいいし、珍しいアフリカを題材にしたヒーローというところも刺激的、ストーリーや設定もロマンあってよかったです。
ブラックパンサー自体に関してはほとんど素手の状態で戦うので、他のスーパーヒーローに比べると少し迫力で負けますが、その身体能力とスーツから出るアクションはとてもスタイリッシュ。
控えめに言って、すげーかっこいい。
ブラックパンサーは、アフリカの架空の国ワガンダの王様です。
今作ではそのワガンダを舞台にストーリーが進展。
ワガンダ国内のあらゆる部族が登場しますが、どれも個性的でワクワクします。
ワガンダはとても栄えた近代国家ですが、反面部族民などの伝統を受け継いでいる国なので、挨拶やしきたりなども伝統に則ったものになっています。
こういったところが他にはなくてとてもインパクトのある映画でした。
部族はいかにもアフリカンちっくな衣装を見にまとっていますが、その中で異様とも言える漆黒のブラックパンサーは存在感がすごい。
アフリカの大地とも相待って、なんていうか主役感がハンパないです。
いい意味でマーベル映画を見ている感じがなかった。アフリカの伝記を見ているよう。
ストーリーは毎度のような感じですが、今回はヴィランが主人公の従兄弟。
過去に何があったか、ヴィランがなぜ王位を剥奪しようとしたか、主人公の葛藤など、王としての責任やヒーローとしての正義もこの映画でよく描かれていると思います。
主人公が真っ黒なスーツを着ているのに対し、ヴィランのキルモンガーは金の差し色が入ったスーツを着ています。
キルモンガーが王となり、やろうとしたことは正義とはかけ離れていることかもしれませんが、そのプロセスにはとても悲しい過去が。
互いの正義がぶつかり合うラストの戦闘シーンは見所。
そしてワガンダの夕日が胸に刺さります。
僕的には、同じワガンダを思う部族が反発しあい内戦に発展していくシーンは盛り上がるところではありますが、なんか心が痛い。
黒人差別の過去(あるいは現在)、アメリカの相対的貧困などにスポットを当てていることもメッセージ性があってよかったかなと思います。
2時間ほどの映画でよく仕上げたなという完成度でした。
アベンジャーズみたいなドンパチ系を期待した人には少し肩透かし感があるかもしれませんが、MCUにしては大人っぽい映画。
ぜひおすすめしたい映画です。
しかし、ルピタ・ニョンゴ綺麗やなあ。