僕と「時計じかけのオレンジ」
どうも、KENTです!
僕はどの映画が1番好きかと聞かれたら、有無を言わさず「時計じかけのオレンジ」と答えます。
現在タイを旅行中。バスの中でふと時計じかけのオレンジが頭に浮かんだので、このことを記事にしてみようと思います。
僕が始めて時計じかけのオレンジを見たのは、高校2年生の時です。
それまでアメコミ映画やアクション映画しか見たことがなかった自分。
なんとなくマンネリを感じてツタヤにあてもなく映画を探したのが始まりでした。
ツタヤの特設コーナー置いてあったオールタイムベストムービーの文字。
その中で1番先に目が止まったのが、「時計じかけのオレンジ」でした。
無意識のうちに手にとってたんじゃないかと思います。
そして時計じかけのオレンジを見た自分。
衝撃的でした。
「映画ってこういうものなのか。」
僕の映画の価値観はそこで180度変わりました。
初めて映画をアートだと思った。
初めて映画について考えた瞬間だった。
正直最初は意味がわからなかった。
近未来のロンドン、個性的な衣装、ナッドサット言葉。
なんだこれ?と思いながら見ていた自分。
でもなぜか画面に吸い込まれていきました。
この映画は、人間の暴力性(バイオレンス)を風刺的に描いた映画です。
暴力シーンはもちろん、レイプなどのきついバイオレンスも描きます。
それでも不思議と嫌に感じなかった。
相当不謹慎なことを言いますが、その時私はこの映画を「美しい」とまで思いました。
事実、この映画の公開後、イギリスの少年犯罪が増えたというのはこういうことだと思います。
ただ、暴力を肯定しているわけではありません。
全ての人が持つであろう非人間性をここまで美しく、風刺的に描いたこの作品に僕の映画性はみるみる侵食されていきました。
この映画がアートだと言っているのは、正直私のボキャブラリーではアートとしか言いようがないからです。
内容ゆえに「この映画をアートというんなら、そんなのは糞食らえ。」という人や、「こんな映画はにわかが粋がるための映画」というひとは多いと思います。
それも一理あると思います。
ただ、それでも私はこの映画に全てを変えられました。
それほど当時の自分は衝撃を受けました。
約半世紀前の映画だというのに、むしろ新しさを感じる映画はなかなか無いと思います。
人間というものの裏の側面を皮肉的に描いたとても反暴力的な映画であると共に、暴力を誘発するような見せ方をする(キューブリックの手腕がゆえの)この映画は、映画史に残る名作だと僕は思っています。
僕のオールタイムベストムービーは誰がなんと言おうと「時計じかけのオレンジ」です。
映画の主人公といえばアレックスで、映画の悪役といえばアレックスです。
それほど僕はこの映画が好き。
バイオレンス映画と言ってもグロテスクなシーンはありません。
ただ、レイプシーンやセックスシーン、女性の裸体が映るシーンは多々あるので、家族や恋人との視聴は100%オススメしないですが。
スタンリーキューブリックは本当にすごい。
戦争映画の異端児「フルメタル・ジャケット」。
あの有名なポスターで有名な「シャイニング」。
副題がめちゃ長い「博士の異常な愛情」。
どれをとっても間の取り方や見せ方、効果音やキャラクター作り、音楽、全て圧倒されます。
「面白い映画か?」と聞かれれば、反応に困る部分はありますが、それを超える芸術性、あるいは映画性がキューブリック作品にはあると思います。
もちろん僕の1番は「時計じかけのオレンジ」です。
今ではDVD(友達に貸出中)とブルーレイも持ってます。
映画のサントラを初めて聞こうと思ったのも、この映画が初めて。
そして、ラストの「雨に唄えば」。
あれが一層映画の虚無感を生み出します。
あれ初めて見たときは脳内分泌出まくりだったんじゃないかな。
相変わらず原作については知らないですが、とにかく僕の1番好きな映画について文字に起こして見ました。
タランティーノ映画も1番ってくらい好きですが…
特にレザボアドッグスとパルプフィクション。
こんなこと書いてたら見たくなってきた。
興味があるひとや違った映画を見たいひと、「時計じかけのオレンジ」おススメです。